若社会人のひとりごと日記

ひび感じたことや趣味についてただただ思ったことを垂れ流します

【本】正欲

 正欲を読破。昨今のお互いを尊重し多様性を認めようという風潮には、何かしらの気持ち悪さ、言えば偽善や自己満足を感じていたが、正欲ではあらゆる角度から欲と欲に振り回される人間について書き尽くされている。

 人間なんて正しい、正しくないの二元論で割り切れるものでは到底ないが、社会の中では確実に正しいとされるものが存在するのも事実である。では、正しくないとされた人はどう生きるべきか、正しい人々はあらゆる観点で完璧に正しいのか。今まで意識したこともなかった、いや漠然と感じていたことを剥き出しにしたこの本は、本当に色々なことを考えるきっかけとなった。ぜひ、一読してほしいと小説だった。

 「マイノリティの中のマジョリティ」「不安な人間は多数派であることが唯一の拠り所」など心に刺さった素晴らしい表現は数多くあれど、「年末年始は人生の通信簿」はまさしくと非常に共感できる絶妙な表現と感じた。結局、人は人とのつながりを求める生き物だから、特別な時期をどう過ごすかはなぜか人からジャッジされてるような気分になってしまう。自分の現実の状況と強く結びついたので特に心に残った言葉であった。